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「追憶」

※この記事には映画のネタバレがあります

 

今日は母と一緒に、追憶を観てまいりました!

岡田くんのファンというわけではないんですが、県内ロケ作品ということで観てきました。同様の理由で、脳男も観ました。あちらも面白い映画でした。

追憶も脳男も、近場でロケしてるシーンがあったんですが、どちらもロケのことなど知るわけがなく生で撮影を見ることなく過ごしておりました。

 

訳アリの幼馴染三人が刑事と容疑者と被害者として再会する、というお話でしたが奥の深い作品でした。

個々の事情で集まった三人を保護してくれる喫茶店の涼子さん。喫茶店のお客で、涼子さんに想いを寄せる山ちゃん。そして、涼子さんの過去を知るガラの悪い男。涼子さんと山ちゃんに上手くいってほしいと思う三人は、涼子さんに付き纏うガラの悪い男を殺そうと計画し行動に出るも、大人と子供の力の差で窮地に追いやられる。一人がその場に落ちているナイフに気付き、友人を男から救うためにナイフで男を刺す。騒音に気付いた涼子が駆けつけて、涼子は自分が男を刺したことにして、「三人は今日から赤の他人だ・絶対に会ってはならない」と言って三人を外に放り出す。というのが、過去にあった事件です。

 

それから月日は流れ、三人はそれぞれの人生を歩いていました。あっちゃんは刑事になったものの、妻が流産したことで夫婦関係は破綻している。けいたは土建の仕事を継ぎ、出産間近の妻がいる。さとしは妻の家のガラス屋を継ぎ、小学生の子供がいる。

絶対に会ってはならない三人でしたが、けいたとさとしは、あっちゃんが知らなかっただけでわりと会っていたようでした。さとしが、けいたにお金を借りるために。さとしが殺される前日に、あっちゃんはラーメン屋で偶然にもさとしと再会。夜、二人で飲みに行って、さとしが明日けいたにお金を借りに行くことをあっちゃんは知ります。けいたがさとしにお金を貸していたことから、あっちゃんはさとしを殺したのはけいたなのでは、と古い友人を疑うんですが、真犯人は別にいました。さとしの妻と、さとしの店・ガラス屋の従業員がデキていて、二人で共謀してさとしを保険金目当てに殺しました。

 

わたしはてっきり、小栗演じるけいたが犯人なんだろうなぁと思っていたので、真犯人の登場にびっくりしました。けいたのセリフにもあったのですが、さとしは家族を守るために働いていたのに、家族に殺されるなんて悲しかったです。そして、けいたの妻は、涼子さんが刑務所の中にいる時に産んだものの里子に出した子でした。父親は、付き纏っていたガラの悪い男になります。その事実もショッキングで、けいたはすごいものを一人で抱えていたんだなぁと切なくなりました。

涼子さんはというと、刑期を終えて現在も生きていますが、数年前に事故に遭い、ショックで過去のことを何も覚えていません。山ちゃんは、涼子さんを懸命に介護しています。あの男がいなくなったから僕はこうして彼女と過ごすことができる、みたいなことを山ちゃんがあっちゃんに向けて言うんですが、あの日の行動で救われた、幸せになれた人が一人でもいることは幸いなことだったと思います。

さとしは殺される前に娘と電話で話していたんですが、その内容は「懐かしい人と会うことができた・明日からまた仕事頑張るぞ」といったもので、本当に家族思いで頑張っていたのに妻と従業員に裏切られるなんて、切なすぎました。

 

簡単に人におススメできる映画ではないような気もしましたが、過去と現在が繋がって未来に向かって行く、いい作品でした。